こんにちは。デコポンです
前回は血糖値のトレンドやFreeStyleリブレついて投稿しました
・糖尿病ってどんな病気?⑤
血糖値のトレンドをもとに、血糖値をコントロールするのってすごく難しいですね
糖尿病のスダチと血糖値に向かい合って、はや半年
一朝一夕でうまく行くものではないことを思い知らされます
今回は血糖値を正常値にするためのインスリンのお話をしたいと思います
インスリンの歴史
インスリンは1921年にカナダの「フレデリック バンティング」氏と「チャールズ ベスト」氏により発見・抽出された、膵臓のβ細胞で産生される、血糖を下げることができる、ホルモンです
インスリンは20世紀最大の発見の一つで、1923年のノーベル生理学・医学賞の対象となってます
インスリンの発見・開発・研究のおかげで多くの糖尿病患者が合併症を抑え、長く生きることができるようになったと言えます
インスリンの投与
1型糖尿病患者は、健常者のインスリン分泌を模すようにインスリンを外部から投与します
過去の記事「糖尿病ってどんな病気?④」でも書きましたが、インスリンには食事に関係なく常に分泌される、『基礎インスリン分泌』と、食事などで血糖が高くなると分泌される、『追加インスリン分泌』があります
その二つを外部から投与することで血糖値のコントロールを行います
外部からインスリンを投与する方法は、今のところ、注射かポンプだと思います
※研究が日々行われているので、ほかの方法もあるのかもしれませんが、病院の先生から教わったのはこの2つです
スダチは入院中の前半はインスリン注射を主に使っていましたが、入院後半から現在までインスリンポンプを使っています
インスリン注射の種類
インスリンにもいくつか種類があります
・投与するとすぐに血糖値を下げる超速攻型インスリン製剤
・投与すると少しずつ血糖を下げる持効型溶解インスリン製剤
超速攻型インスリン製剤は健常者でいうところの『追加インスリン分泌』を模して利用し、食事などを取る際に投与します
持効型溶解インスリン製剤は健常者でいうところの『基礎インスリン分泌』を模して利用し、1日1回寝る前などに投与します
スダチがもっている超速攻型インスリン製剤用の注射はノボ・ノルディスク社が販売する『ノボラピッド注フレックスペン』、持効型溶解インスリン製剤用の注射はサノフィ社が販売する『ランタスXR注ソロスター』です
画像は上が『ノボラピッド注フレックスペン』、下が『ランタスXR注ソロスター』
インスリン注射
インスリン注射の構造ですが、キャップを外すと下の写真のようになってます
インスリン製剤が何回か分入っていて、右のノズルを動かすことで、投与量を調整します
先端には針を取り付けることができ、投与するたびに清潔な針を取り付けます
右の先端にボタンが付いていて、体に注射針を刺しだ状態でボタンを押すことでインスリン製剤を注入することができます
取り付ける針は衛生面が考慮されており、1回ごとに使い捨て。交換して使います
保護シールを取って、インスリン注射の本体に取り付け、針ケース、針キャップを外して注射します
インスリン注射を打つ場所ですが、おもに、「おなか」か「太もも」
インスリンの効果を一定にするため、注射する部位はあまり変えないことが推奨されてます
ただ、同じ場所に繰り返し針を刺すと、皮膚が固くなり、インスリンの効きが悪くなるので、2cmくらいづつ、打つ場所をずらす必要があります
インスリン注射の針は、普通の注射の針と比べ、短く、細いです
なので一般的な注射に比べ、痛みは少ないと言われていますが、注射嫌いなスダチにとっては、注射には変わりないので、嫌がります
インスリン注射の手順
インスリン注射を打つ手順ですが、結構面倒くさいです
・注射の準備
・空打ち
・投与量の設定
・注射
・後片付け
の順に行います
超速攻型インスリン製剤は食事毎に行うので、1日、最低3回。それ以外に間食するのであればその時にも行うことになります
持効型溶解インスリン製剤は寝る前に行うので、1日、1回です。なので最低でも1日4回は上記の作業を行う必要があります
余談ですが、注射針は「感染性廃棄物」に分類されるので、一般ゴミとして廃棄することができません。(血糖測定に利用する穿刺器具ででた針も一緒)
そのため、不要になった針は病院に持って行って廃棄してもらう必要があります。
インスリンポンプ
インスリンポンプは「カニューレ」というインスリン注入の針を体に取り付けておき、チューブでインスリンポンプと繋いでおきます。
そして、必要に応じて機械を操作してインスリンを投与します
下の写真は、インスリンポンプの装着イメージとインスリンポンプの構成です
インスリンポンプで使用するインスリン製剤は超速攻型インスリン製剤です
注射の場合、『基礎インスリン分泌』として持効型溶解インスリン製剤を1日1回投与しますが、インスリンポンプでは、超速攻型インスリンを1時間おきに少量づつ自動で投与します。
「カニューレ」は3日ごとに交換します。その交換の際に、3日分のインスリンをポンプ側に入れておきます
「カニューレ」をつける場所は皮下脂肪が多くある場所なので、「おなか」か「おしり」。スダチはお腹の皮下脂肪が少ないため、「おしり」につけています
インスリンポンプはインスリンの量を0.1単位で細かく投与することができるので、血糖コントロールがしやすいそうです
※インスリン注射は1単位
インスリンポンプを操作することで、インスリンが投与できるので、学校や外出先では重宝します
食事の度に保健室やトイレなどで注射する必要もなく、ポンプをちょっと操作するだけです
「カニューレ」と「チューブ」を一時的に取り外すこともできるので、お風呂やプール、激しい運動などの際も問題ありません
ただ、基本的に「ポンプ」と「カニューレ」が「チューブ」でつながっているので、邪魔にはなります
この辺についてはライムの投稿でも説明しているのでそちらもご覧ください
・入院9日目
インスリンの投与量
インスリンの投与量の算出
インスリンの量の単位ですが、紛らわしいですが「単位」といいます。「単位」が単位です
インスリンの投与量は「目標血糖値」と「糖質インスリン比」「インスリン効果値」、「現在の血糖値」「食する炭水化物量」で決まります
・目標血糖値:目標とする血糖値
・糖質インスリン比:超速効型インスリン1単位が処理できる糖質量
・インスリン効果値:超速効型インスリン1単位で低下する血糖値量
・現在の血糖値:現在の血糖値。SMBGやFGMで測定します
※SMBG、FGMはこちらで説明してます。「糖尿病ってどんな病気?⑤」
・食する炭水化物量:食事に入っている炭水化物の量
上記をもとに食事の度に「現在の血糖を下げるためのインスリン量」(補正インスリン)と「食事によって上がるはずの血糖を下げるためのインスリン量」(食事インスリン)を計算し、インスリンの投与量を決定します
例えば
・目標血糖値:100
・糖質インスリン比:8
・インスリン効果値:50
・現在の血糖値:180
・食する炭水化物量:90
だった場合は
・「現在の血糖を下げるためのインスリン量」(補正インスリン)の計算
(「現在の血糖値」➖「目標血糖値」)➗インスリン効果値
(180➖100)➗50🟰1.6
・「食事によって上がるはずの血糖を下げるためのインスリン量」(食事インスリン)の計算
「食する炭水化物量」➗「糖質インスリン比」
90➗8🟰11.25
なので、1.6➕11.25=12.85単位のインスリンを投与する必要があります。
インスリン注射の場合は、小数点を切り捨てて12単位を投与します
インスリンポンプの場合は、「目標血糖値」「糖質インスリン比」「インスリン効果値」がポンプに保存されているので「現在の血糖値」「食する炭水化物量」を入力すれば自動的に計算され12.8単位のインスリンを投与することになります
カーボカウント
カーボカウントとは、カーボ(糖質)をカウントする(見積もる)ことで、糖尿病における食事療法、インスリン調整法の一つです
食物の中で最も急激な血糖上昇を来すのが炭水化物なので、食事中の炭水化物量を計算して糖尿病の食事管理に利用します
カーボカウントというと難しく聞こえますが、基本的に料理に入っている炭水化物の量を把握しましょうということになります
多くの食材や製品に炭水化物量が成分表として記載されているので、それをもとに計算しています
コメント